2009年 8月号外

  新型インフルエンザ(以下豚インフと略す)について
  (8月のNCNニュースは休刊します。)

  皆様も御存じのように、豚インフが、夏にもかかわらず流行の兆しが見られます。今後夏休みも終わり学校や幼稚園が開始されれば、さらに流行する恐れがあります。もちろんインフルエンザは"弱毒性?"とはいえ、あなどってはいけない疾患ですが、現時点では、豚インフは季節性インフルエンザ(季節性インフ)とほぼ同じ毒性と考えられますので、神経質にならず、以下の点に注意してください。

 @ 発病する1日前から人に感染させる。潜伏期は1〜4日、平均2日。主な感染経路は飛沫感染で、発病者の咳や鼻汁の中に存在するウイルスが口や鼻から潜入して発病する、したがって発病者から約2m以上離れれば感染するリスクを減少させることができる。また、発病者から排泄されたウイルスは、消毒しなくても、2〜8時間で死滅する。

 A インフルエンザは、全身倦怠感の強い疾患であり、微熱・高熱にかかわらず"しんどい"はずで、最低3日間以上は、"しんどい"と思われます(乳児であればよく寝る、年長児であれば座っているより横になっていることが多いなど)。また、おそらく発病3日間に、重篤な合併症である脳症・脳炎やウイルス性肺炎を併発すると考えられるので、インフルエンザを疑う場合、最低3日間は、注意してお子さんを観察することが重要です。
 B インフルエンザの診断は発病早期では難しいので、発病後24時間ごろに検査を受けることが望ましいと考えます(豚インフは季節性インフより迅速検査感度が悪い)。また、抗インフルエンザ薬(タミフルやリレンザ)を使用しなくても、治癒する病気です。しかし、季節型に比べて、発病48時間以内に抗インフ薬を使用すれば早く解熱する有効率は高いようです。発病開始時期の推定は難しいこともありますが、38度以上になったとき、昼食や夕食を食べたか、夜中にしんどくて起きてきた時間、などを参考にしてください。

 C 豚インフと診断されれば、その後約1週間は自宅待機をお願いします。

 D 豚インフは季節性インフに比べ、成人でも免疫力がないため、発症しやすいと考えます。また、現在の流行状況では、家庭に豚インフを持ち込むのは、生活範囲の広い生徒・学生や成人です。

 豚インフ疑った場合、発症24時間ごろに検査を受けることをお勧めします。できればクリニックに一度電話をかけてから、来院してください。

なかじまクリニック 小児科・循環器科
院長 談