2007年 9月号

 残暑が厳しく続いているところに、二学期も始まりました。二学期は運動会など行事があります。夏休み疲れを解消して、元気に過ごしましょう。

@小児感染情報 (9月10日現在)
  感染症は少ない状況です。ヘルハンギーナや手足口病に代表される"夏かぜ"も減少傾向です。
 一部の保育園では"結膜炎"が流行しています。
  この中で頻度は少ないですが、"アデノウイルス"のよる結膜炎が認められます。この結膜炎は、感染力も強く、結膜の充血・流えんなどの眼症状も強く、診断されれば症状が改善するまで学校や幼稚園を約1週間休まねばなりませんので注意して下さい。

A麻疹(はしか)について(パート6)
 
大阪府下の麻疹症例報告は8月中も少ないながら続いたようです。二学期が始まり、集団生活も開始されました。今しばらく警戒が必要とのことです。  
 1歳を過ぎたお子さんは早急にMR混合ワクチンを受けてください。  麻疹の罹患歴もなく予防接種も受けてない人は、年齢を問わず予防接種をお勧めします。  
 
来年小学校入学のお子さんは、来年3月31日までに、2回目の麻疹・風疹ワクチンであるMRU期を忘れず接種して下さい。

B日本脳炎ワクチンについて(パート4)
 接種希望者の方にはご迷惑をおかけしています。残念ながら、ワクチン入手は困難な状況が続いています。

C手足口病について
 夏かぜの一つであり、夏に多いが、秋から冬にも流行することがあります。1歳から5歳の小児が罹患します。原因は、主にコクサッキーウイルスA16とエンテロウイルス71ですが、他のコクサッキーやエコーウイルスでも、同じ症状が出ることがある。言い換えると、ウイルスの種類が異なる手足口病を何回か罹患することがあります。
 潜伏期は3〜5日で、口腔粘膜および手掌、足底や足背に現れる2〜3mmの水疱性の発疹が特徴的で、肘・膝・臀部などのも出現することがある。この水疱はほとんどかゆみもなく、消えていきます。38℃以上の発熱はないことも約2/3に認められ、発熱があったとしても約2日以内に解熱します。逆に、まれに、口腔内の水疱によって、水分が取れなくなることもあります。
 熱もなく、口腔内の水疱で水分が取れないなどの症状もなく元気であれば、登校・登園をひかえる必要はありません。
 治療は対症療法です。当然ながら抗生剤は無効です。極めてまれに、髄膜炎・脳炎・小脳失調・心筋炎・麻痺などを合併することがありますが元気であれば心配ありません。

なかじまクリニック小児科・循環器科     院長 談


なかじまクリニック 小児科・循環器科
院長 談